”才色兼備”講座

話題の病気をキッチリ知ろう! ~不眠~

柳生 隆一郎

医療法人遼蓮会 柳生クリニック 理事長

外科はもちろん内科・整形外科・皮膚科などのさまざまな診療に携わり、患者様と専門家をつなぐパイプ的な役割を担い、総合的な視野で診察する『プライマリ・ケア』を実践。2007 年、谷町4 丁目で開業。健康を維持、増進させるための治療はもちろん、継続的な患者様とのコミュニケーションを通じて「未病」の状態を維持させ、男女を問わず健康的な老い方いわゆる「アンチエイジング」の実現を目指してまいります。 日本外科学会・日本消化器外科学会・日本消化器病学会・日本癌学会・日本大腸肛門病学会・日本抗加齢医学会に所属しています。日本医師会認定産業医。 http://www.yagyu-cli.jp/

話題の病気をキッチリ知ろう! ~不眠~

不眠?不眠症?

 

不眠でお困りの方って案外多いですよね。

 

聞いてみますと、「なかなか寝付けない」、「寝ても2~3 時間で目覚める」、「しっかり寝たのに疲れが取れてない」など、不眠といっても人によって個人差があると思います。

 


ちなみに「不眠症」と「不眠」はちがいます。

 


「不眠症」は病気です。

2時間以上寝つけない(入眠障害)、夜中や朝方思ったよりも早く目が覚める(中途覚醒)、しっかり寝た気がしない(熟眠障害)などの症状が週2回以上あり、かつ1カ月以上続いて社会生活に支障が出ている状態です。

これは医師の診察、治療が必要です。

 


一方、不眠はきっとみなさんにもよくある状態です。

たとえば心配ごとを抱えたときや深夜ドラマにはまったとき。旅先でいつもとちがう枕を使うとき。ものすごく忙しくて「寝
てなんかいられない!」というときなど。

まあ毎日じゃないから大丈夫、休みの日に寝だめするから平気などと考えてしまっていませんか?

 

実はこれが、いわゆる「かくれ不眠」に当てはまるかもしれないといわれています。

 

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かくれ不眠って?

 

この「かくれ不眠」とは、専門家が提唱した概念で、専門的な治療をする必要はないものの、睡眠に対する悩みや不満があり、日常生活に影響が出ている。そんな状態にも関わらず、睡眠の重要性に対する認識が低い状態をいいます。

 

ちょっとしたキッカケで、だれでもいつでもなる可能性があり、実際、20~40 代の約8割が該当することがわかって
います。

 


睡眠は食事や運動とならんで、健康を維持するための大切な要素です。

また最近では睡眠不足が肥満につながる仕組みもわかってきました。

これは食欲に関わるホルモンの分泌リズムが乱れるからです。

 

このように不眠は心や体の機能を乱すストレスになります。

そして、そのストレスがさらに不眠を悪化させるという悪循環を招きます。

 

これが「不眠の負のループ」です。

 

このループにはまると、不眠とストレスが互いに悪影響を及ぼし合い、はじめは一時的な不眠でも
やがて症状が複雑なものになっていきます。

そうならないように悪循環を早めに断ち切る。

すべてのかくれ不眠の方にとって、これが最も大切なポイントです。

 

よい眠りを手に入れるのは、そんなに難しいことではありません。

かくれ不眠は、慢性的な不眠症と違い、専門的な治療を必要としない状態ですから、基本的に自分で対処でき
ます。


もちろんゆっくりお風呂に入ってリラックス、アロマセラピーを取り入れる、寝る前にテレビを観ない、PC を操作しないなどは雑誌などの特集でも取り上げられています。

 


風邪薬を飲むと眠くなる?

 

より積極的に対処する方法として、ここではセルフメディケーションを紹介します。


セルフメディケーションとは、薬局やドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品の睡眠改善薬を必要に応じて活用することです。


睡眠改善薬は、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの一時的な不眠症状を緩和させるもので、ずっと飲み続けるものではありません。


医療機関で用いられる睡眠薬(睡眠導入剤)とは異なり、「抗ヒスタミン薬」を有効成分とする薬です。

抗ヒスタミン薬は、あなたもよく知っている風邪薬や鼻炎薬などにも配合されています。

 

これらの薬を飲むと眠くなることがありますが、ヒスタミンは脳を覚醒状態(目の覚めた状態)で維持する働きを持っています。

つまり、抗ヒスタミン薬により脳内でヒスタミンがスイッチを押せなくなるため、覚醒状態が保たれなくなり、眠くなるの
です。


この作用をうまく応用して開発されたのが睡眠改善薬であり、脳の過剰な興奮を抑え、結果として自然に近い眠りに導きます。

抗ヒスタミン薬は海外でもOTC医薬品の睡眠改善薬として用いられており、用法・用量を守って使えば、習慣性や依存性は生じないこともわかっています。

 


深刻に考えていなかったココロやカラダの不調も、実は「眠り」の質から来ているのかもしれません。

ちょっと気になった方は、早めに対処してくださいね!

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