vol15 露の団姫
PROFILE

露の団姫

上方落語協会所属の落語家。高座の他にもテレビ・ラジオで活動中。日本酒の「利き酒師」の資格も持つ。落語家になるか尼さんになるか悩む中、落語の創始者、初代・露の五郎兵衛が僧侶であり、 説法をおもしろおかしく話したことが落語の起源と知り、高校卒業を機に初代・露の五郎兵衛の流れを組む露の団四郎へ入門。3年間の内弟子修行を経て主に古典落語・自作の仏教落語に取り組んでいる。2011年、天台宗で得度。2012年、比叡山行院で四度加行を受け正式な天台僧となる。
http://www.tuyunomaruko.com/

落語家として 僧侶として
二つの世界に入るキッカケ

 親が落語好きで、15歳、高校一年生のときに落語家になりたいと思いました。でも尼さんになりたいと思ったのも、ちょうど同時期でした。元々、小さい頃から「人間って死んだらどうなるんだろう?」と魂がどこに行くのかすごく不安に感じていました。中学校の授業で、世の中の宗教について学んだときに、「宗教の中に答えがあるんじゃないか?」と思いました。そこから仏教が好きになって。すると、女性って自分がおいしいって思ったケーキがあったら人に伝えたいじゃないですか。それと一緒で「仏教があるだけで人生がぜんぜん変わってくる」っていうことをいろんな人に広めたいと。お経の中に、「この教えをすばらしいと思ったものは、自分の持っている才能で仏教の教えを広めなさい」ということが書いてあるんです。じゃあ、自分は落語家になって、それから尼さんになって、落語で仏教を広めようと思ったのがキッカケです。

女性の少ない環境で

 落語家として、私が入った10年前はまだまだ女性が少なかったんで、やっぱり周りの反応はさまざまでした。女性だからといって私自身が苦労したというのはなかったんですが、師匠は扱いづらかったと思います。弟子より師匠の方が大変といいますので、私の気づいていないところでかなりお気遣いされてた点があったんではないかと思います。今は、会社なんかでも部下より上司の方が大変かもしれませんね。
4年前に出家したんですが、修行期間は本当にきつかったです。がっちりこもるのは60日なんですが、600日くらいに感じました。先が見えなさ過ぎて。60日間でみんな10㎏やせてしまうんです。私は5㎏太ったんですが(笑)。修行に耐え切れず山を下りる人も多いんですが、女性は、一回入ったら途中で投げ出して下りることはないと言われてました。

よく相談を受けるのは・・・

 テレビ朝日の『ぶっちゃけ寺』という番組は、出演している私も勉強になりますね。一緒に出演している僧侶は、元々の知り合い同士の方が多くて、そのメンバーでお悩み相談サイト“hasunoha(ハスノハ)” http://hasunoha.jp/というのもつくっていたんです。
番組出演以来、相談が増えましたが、女性の相談だと、旦那のこと、親の介護、恋愛相談も多いですね。私が恋愛相談を受けてもそんなに経験値があるわけではないんですが(笑)。とくに、恋愛相談が来るのって必ず深夜3時とかなんです。おそらく友達とかにも相談してて、それでも解決せず、最終的に来たんだろうと思います。深夜であればあるほど、悩んでたんだろうなと。女性は自殺願望の方の相談って意外と少ないんですが、男性は自殺願望で相談してくる方も多いです。そんなに追い詰められるまでだれにも相談しないんでしょうね。男性はカッコつけているのか、人に相談したらダメだと思い込んでいる節がありますよね。

一隅を照らす

これは天台宗を開かれた伝教大師 最澄上人の言葉です。自分の得意分野でがんばることで、ひとりひとりが光れば世の中全体が明るくなる、という意味です。ある方がご自身のブログで「あの仕事をしてこの仕事をして、家事して、子供と遊びに行きました」とか、UPしていたりすると、それを見て、「私もこの人みたいになんでも完璧にこなさないといけない」って考えてしまう人がいるんです。でも、「なんでもしようとしないことが大事」だと思います。女性はなんでもできると社会が勝手に求めてくるんですが、そんな人はいないわけで。それをやってると精神的にしんどくなってしまったり。だから「完璧な人はいない。だから自分も完璧になる必要はない。」ということに気づいてほしいです。

おすすめ

露の団姫さまがご出演するイベント情報
第十回 夏夜の怪談

日時:7月31日(金) 開演18:45(開場18:15)
場所:天満天神繁昌亭
出演:露の団四郎、露の団姫、桂弥太郎
料金:2,500円(前売)/3,000円(当日)
お問い合わせ:あきんど落語笑店 0798-43-0394